日本人は昔から大豆を加工して毎日の食生活にうまく取り入れてきました。
良質なたんぱく質をはじめ、さまざまな栄養をバランス良く含む大豆は、いわば自然のバランス栄養食。このことが長寿大国・日本を支えてきた理由のひとつと考えられています。
大豆には肉に匹敵する量のたんぱく質が含まれていることから、「畑の肉」ともいわれます。大豆に含まれるたんぱく質は消化吸収が良く、健康に欠かせない食材のひとつと言われています。
大豆に含まれる植物性たんぱく質は、脂肪になりにくくコレステロール、血圧を抑制できるという効果があります。
この大豆を加工した製品の代表と言えば、誰でも知っている「豆乳」「豆腐」「納豆」の3品です。
これら3製品はダイエット・美容・アンチエイジング、そして生活習慣病予防の頼もしいパートナー食材です。
大豆を水に浸して、すりつぶして加熱、絞ったものが豆乳です。
市販されている豆乳は大きく分けて3種類あります。「無調整豆乳」は大豆と水分だけて構成されていて、それに砂糖や乳化剤、香料などを加えて飲みやすくしたのが「調整豆乳」、さらにバナナ味などジュース感覚で飲めるのが「豆乳飲料」です。
豆乳に含まれるレシチンが腸で分解されるとコリンという成分になり、これが脳に運ばれて情報伝達物質になります。そのため豆乳を飲むことで記憶力向上、ボケ防止、集中力向上など、脳の活性化に効果があるとされています。
レシチンは血管内の悪玉コレステロールを除去する効果があるとされ、動脈硬化・脳梗塞など生活習慣病の予防効果も期待されています。
豆乳には美容・美肌効果のあるビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンEが含まれています。
豆乳に含まれるサポニンという成分の働きで、腸に作用して脂肪の吸収蓄積を抑制効果があるとされます。
さらに豆乳のサポニンには満腹中枢を刺激して食欲を抑える作用もあります。また飲むと腹持ちが良いため満腹感を得やすく、ダイエット効果につながると言われています。
豆乳には食物繊維、大豆オリゴ糖が含まれていて、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整え便秘の改善効果があるとされます。
豆乳に含まれる成分に大豆イソフラボンは女性ホルモンを促進させる効果があるとされます。女性にとっては女性ホルモン減少による骨粗鬆症や乳がん、更年期障害の予防につながります。
大豆イソフラボンには男性ホルモンの分泌を抑える働きがあるため、男性特有の脱毛予防・育毛効果があると期待されます。
豆乳をにがりで固めたものが豆腐です。日本人にとって豆腐は和食に欠かせないバリエーション豊富な定番食材となっています。
豆腐には良質なタンパク質が多く含まれているのに低カロリーなので主食の代わりとしてダイエットメニューに最適な食材です。
豆腐に含まれるビタミンB群や大豆イソフラボンの抗酸化作用で美肌効果が期待されるほか、大豆レシチンは悪玉コレステロールを減らし動脈硬化など成人病予防にも効果があるとされます。
大豆レシチンの成分でもあるコリンは脳の栄養素ともよばれ、記憶力・集中力向上、ボケ防止などの効果が期待されます。
豆腐には牛乳と同等以上に豊富なカルシウムが含まれており骨粗鬆症予防にも良いとされています。カルシウム不足解消により精神的な緊張を鎮める効果もあります。
大豆を蒸した後、納豆菌を加えて発酵させたものが納豆です。納豆にはビタミン・タンパク質・食物繊維など体に良い栄養成分が豊富に含まれています。
納豆のネバネバ部分には、ナットウキナーゼというたんぱく質分解酵素が含まれています。ナットウキナーゼは血栓を予防し血液をさらさらにする効果があります。血液がさらさらになる事で、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ効果が期待されます。
納豆に含まれるムチンという成分にはヒアルロン酸の10倍の保湿力があると言われ、豊富なビタミンB群や大豆イソフラボンの効果も合わせて優れた美肌効果・アンチエイジング効果があるとされます。さらにムチンにはドライアイの予防や肝機能・腎機能を高める効果もあります。
納豆に含まれる納豆サポニンは腸内で脂質や糖質を吸収・蓄積を抑える働きがあります。さらに納豆に豊富に含まれる食物繊維のため腹持ちが良くダイエット食としても最適です。
大豆レシチンにより集中力・記憶力向上、ボケ防止など脳の活性化の効果もあります。
納豆菌には腸内で悪玉菌を抑え、善玉菌を増やすといった腸内環境を整えて便秘を改善する効果があります。善玉菌として有名なヨーグルトの乳酸菌は胃酸に弱いですが、納豆菌は胃酸にも強くしっかり腸内に届く頼もしい存在です。